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相続・実家

実家を守るか、手放すか|相続経験者が考える判断軸と維持戦略

「そんな家、早く手放したほうが楽だよ」

相続のことを話すと、そう言われることがあります。確かに、地方の築古物件は資産価値としては厳しい現実があります。でも私には、どうしても守りたい思い出と、残したいお墓があります。

「家を守りたい」という感情と、「合理的に考えると手放すべきかも」という理性。その間で揺れている方へ、私なりの判断軸をお伝えします。

「守る」を選ぶ前に直視すべき現実

実家を守り続けるにはコストがかかります。感情だけで判断すると、後で家族全員が苦しむことになります。

  • 固定資産税:築古でも毎年発生する
  • 維持・修繕費:屋根、外壁、水回りは10〜20年で大規模修繕が必要
  • 空き家リスク:管理が行き届かなければ劣化が加速し、近隣トラブルにも
  • 相続後の共有問題:兄弟間で共有状態になると売却も修繕も意思決定が困難に

私の実家は築100年。祖父から「わしが死んだら頼むからな、この山はゆるりの山だからな」と言われ続けてきました。その言葉の重さを背負いながら、同時に数字とも向き合っています。

「守る」を選ぶための3つの条件

感情論ではなく、以下の3つが揃っているなら「守る」選択は十分に合理的です。

  1. 維持コストを賄える資産・収入がある:年間維持費(税金+修繕費)を試算し、資産運用の果実でカバーできるか確認する
  2. 利用目的が明確にある:定期的に帰省する、祖父母が住んでいる、将来自分も住む可能性があるなど
  3. 相続人の間で意思統一ができている:誰かが「守る」と思い、誰かが「売りたい」では長期的に維持できない

「手放す」を検討すべきサイン

  • 誰も住んでおらず、今後も住む予定がない
  • 修繕費が資産を上回るペースで発生している
  • 相続人が複数いて、維持の意思統一が取れない
  • お墓が近くにあり、それだけが「守る理由」になっている(墓じまい・改葬も選択肢)

私が「守る」を選んだ理由と戦略

私は今のところ「守る」を選んでいます。理由は祖母がまだ住んでいること、そして母の遺産を4%ルールで運用すれば維持コストをカバーできる計算が立つからです。

具体的には:

  • 地震保険を解約し固定費を削減(年間5万円節約)
  • 新NISAで相続資産を積立運用
  • 高配当株の配当金を維持費の原資に充てる

「執着を捨てて合理的に」と言われることもありますが、祖父が守ってきた山と家、母が守ってきた場所には、数字では測れない価値があります。ただし、その「守りたい気持ち」を持続させるためにこそ、お金の戦略が必要なのです。

まとめ:感情と数字、両方で判断する

実家を守るか手放すかは、正解がありません。ただ言えるのは、感情だけで決めると後悔し、数字だけで決めると後で虚しくなるということです。

大切なのは「守りたいなら、守れる仕組みを作ること」。お金の準備ができていれば、選択肢は常に手元にあります。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。