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介護とお金

親を施設に入れると破産する?——実家インフラを整えて在宅介護を選んだ理由と費用の現実

「施設に入れることを考えたことがある」

88歳の祖母の介護をしながら、正直に言えば、何度もそう思いました。片道2時間半の遠距離介護。深夜に帰宅しても終わらない1時間の独白。薪風呂の空焚きリスク。仕事との両立。

でも私は、施設入居を選びませんでした。理由はシンプルです。入れたら、家計が破産するからです。

この記事では、施設入居の現実的なコストと、私が「実家のインフラ整備」で在宅介護を選んだ理由、そして具体的にやったことをお伝えします。同じ悩みを抱えている方の、少しでもヒントになれば幸いです。

老人ホームの費用は「月20〜30万円」が現実

「施設に入れれば楽になる」——そう思っていた時期がありました。でも調べると、現実は厳しい。

施設の種類月額費用の目安
特別養護老人ホーム(特養)6〜15万円
介護付き有料老人ホーム20〜40万円
グループホーム15〜25万円
サービス付き高齢者向け住宅15〜30万円

特養は費用が抑えられますが、入居待ちが数年単位になることも珍しくありません。今すぐ入れる施設となると、月20〜30万円以上が現実的なラインです。

年間に換算すると240〜360万円。10年続けば2,400〜3,600万円。

母から引き継いだ資産を、介護費用だけで溶かすわけにはいかない。そう判断しました。

在宅介護を選んだ理由——「インフラを整えれば継続できる」

リハビリ職として高齢者の生活を長年見てきた経験から、気づいたことがあります。

在宅介護が続かない本当の理由は、「介護そのもの」より「環境の問題」であることが多い。

火災リスクのある風呂、重労働の洗濯、食事の確保——これらの「インフラ」を整えれば、遠距離でも在宅介護は継続できる。そう考えて、一つずつ手を打つことにしました。

実際にやった実家インフラ整備【費用付き】

① 薪風呂→全自動給湯システムへのリフォーム(約80万円)

88歳の祖母が何度も空焚きをしかけていました。火災リスクを排除するため、ボタン一つでお湯が沸く全自動給湯システムへリフォーム。費用は約80万円。高く感じるかもしれませんが、施設入居1ヶ月分以下のコストで、火災リスクと介護負担を同時に解消できました。

② ドラム式洗濯乾燥機の導入(約15万円)

重い洗濯物を抱えて外に干す作業は、高齢者の腰と膝を確実に痛めます。ドラム式洗濯乾燥機を導入し、洗濯から乾燥まで全自動化。祖母の身体的負担を大幅に減らしました。

③ 生協の定期配達(月約2〜3万円)

遠距離では、祖母の食事管理が最大の課題です。生協の定期配達を導入し、栄養バランスの取れた食事が自動的に届く仕組みを作りました。買い物に行けない日の心配がなくなり、私自身の精神的負担も大きく減りました。

④ 定期受診の仕組み化(タクシー送迎手配)

かかりつけ医への定期受診を、タクシー送迎で仕組み化しました。受診スケジュールと服薬管理を一覧表にまとめ、訪問のたびに確認。早期発見・早期対応が、長期的な入院リスクと医療費を下げます。

インフラ整備の合計費用 vs 施設入居費用

費用
風呂リフォーム約80万円(一回)
洗濯機約15万円(一回)
生協配達月2〜3万円
合計(初期)約95万円+月2〜3万円

対して施設入居は月20〜30万円。初期費用の95万円は、施設入居わずか3〜4ヶ月分です。インフラ整備は長期で見れば圧倒的に安い。

それでも在宅介護には「お金の備え」が必要

在宅介護を選んでも、将来的に施設が必要になる可能性はゼロではありません。だからこそ、並行して資産を守り育てることが重要です。

私が実践しているのは、相続した資産を新NISAと高配当株で運用しながら、「介護費用口座」を育てていく方法です。高配当株の配当金を介護・維持費に充てる仕組みを作ることで、資産を取り崩さずに介護を継続できています。

「お金があれば優しくできる」——介護の現場で実感する言葉です。資金の余裕が、心の余裕を生みます。

よくある質問

Q. 特養の申し込みはいつすればいい?

A. 入居を考えていなくても、今すぐ申し込みだけしておくことをおすすめします。特養は申し込みから入居まで数年かかることがあります。「いざとなったら」では間に合わないケースが多い。市区町村の窓口か、ケアマネジャーに相談してみてください。

Q. 在宅介護と施設入居、どちらが本人にとっていい?

A. リハビリ職の経験から言うと、住み慣れた環境は認知症の進行を遅らせる効果があります。本人の意思と安全が確保できるなら、在宅のメリットは大きい。ただし、介護者が倒れては本末転倒。自分の限界を正直に見極めることが最優先です。

Q. 介護リフォームに補助金はある?

A. あります。介護保険の住宅改修費(上限20万円)が使える場合があります。手すりの設置、段差解消、浴室改修などが対象です。まずケアマネジャーか市区町村の介護保険窓口に確認してみてください。

まとめ:施設か在宅か、答えは「お金と環境で決まる」

  • 施設入居は月20〜30万円、10年で2,000〜3,000万円以上かかる現実がある
  • 在宅介護は「インフラ整備」で継続可能になる
  • 初期投資(リフォーム・家電)は施設費用の数ヶ月分で済む
  • 並行して資産運用で「介護費用口座」を育てることが長期的な安心につながる
  • 特養への申し込みは「今すぐ」しておくべき

「施設に入れたい」でも「入れたくない」でもなく、「どうすれば長く、自分らしく生きてもらえるか」——それを考えるための選択肢を、お金と環境で広げておくこと。それが介護と向き合う長男として、今私にできることだと思っています。

同じ悩みを抱えている方へ。一人で抱え込まないでください。そして、できることから一つずつ、仕組みを作っていきましょう。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。