📌 2024年改正で「3年→7年」に延長、影響が本格化するのは2031年から

本記事は税理士監修記事ではなく、訪問リハビリ職が当事者として母の死後に学んだ知識を整理した実用ガイドです。実際の節税判断は税理士へご相談ください。

「親が元気なうちに、毎年110万円ずつ贈与しておけば相続税はかからない」——昔よく聞いた節税の基本でした。

でも、2024年の税制改正で「生前贈与の持ち戻しルール」が3年から7年に延長されました。本格的に影響が出始めるのは2031年からです。

本記事では、訪問リハビリ職として日々ご家族と関わる中で説明する機会が多い「7年ルール」を、現場で分かりやすく整理した内容で書きます。

「7年ルール」とは?簡単に説明すると

相続が発生したとき、亡くなった人(被相続人)が亡くなる前7年以内に相続人へ贈与した財産は、相続財産に「持ち戻して」相続税を計算する——というルールです。

つまり、「亡くなる直前に駆け込みで贈与しても、相続税の対象になってしまう」というのが本質です。

2023年までは「3年以内」でしたが、2024年改正で「7年以内」に延長されました。経過措置として段階的に適用され、フル7年が効くのは2031年以降の相続からです。

影響を受ける人・受けない人

影響が大きい人

  • 相続税の課税対象となる資産がある家庭(基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人数)
  • 親が高齢で「最近になって贈与を始めた」家庭
  • 毎年110万円贈与で節税している家庭

影響が小さい人

  • 相続財産が基礎控除内に収まる家庭(多くの家庭はこちら)
  • 親がまだ若く、贈与開始から7年以上前に相続が発生する家庭
  • 生命保険の非課税枠など、別の節税策を活用している家庭

例外:持ち戻し対象にならない贈与

  1. 暦年贈与の年110万円基礎控除のうち、相続発生4〜7年前の分は合計100万円までの控除あり
  2. 教育資金一括贈与の特例(孫への教育資金、最大1,500万円)
  3. 結婚・子育て資金一括贈与(最大1,000万円)
  4. 住宅取得資金贈与(最大1,000万円)
  5. 相続人ではない孫への贈与(基本的に持ち戻しなし。ただし代襲相続人になる場合は対象)

これらの特例は時限措置のため、利用前に最新の制度状況を必ず確認してください。

「駆け込み贈与」が招く3つの落とし穴

① 親の認知能力が落ちた後の贈与は無効になる可能性

贈与は「双方の合意」が必要。親が認知症などで判断能力を失っていたと後から判断されると、贈与自体が無効になる場合があります。

② 贈与契約書がないと税務署に否認されることがある

「お金を渡しただけ」では贈与と認められないケースが過去にあります。贈与契約書(書面)+ 振込履歴を残すのが基本です。

③ 子の口座への振込でも「名義預金」と見なされる場合

子が知らない口座に親が勝手に積んでいた場合、相続発生時に「実質は親の財産」と認定されることがあります。子が通帳・印鑑を管理していることが重要です。

2026年時点でできる対策

  1. 親が元気なうちに専門家(税理士)に相談:相続税が課税対象かどうかの試算が最初の一歩
  2. 贈与する場合は契約書・振込・確定申告まで揃える:書類が残らない贈与は将来の火種に
  3. 生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)を活用:贈与より確実な節税策
  4. 新NISA口座の名義は本人のみで運用:子のNISAは「子の財産」として扱われるよう、口座管理を子に
  5. 家族で「相続の話」を一度する:節税より、揉めないことの方がはるかに大切

27歳で母を亡くした自分が伝えたいこと

私が母を亡くしたとき、相続財産は4,000万円ほど。基礎控除内で相続税はかかりませんでしたが、「節税より、誰がどう受け取るかの合意」のほうがずっと重要だと痛感しました。

兄弟3人で1年半揉めた経験から言えば、節税効果よりも家族の関係性のほうが、はるかに金額換算しにくい価値があります。

7年ルールを意識する前に、まず「家族で相続の話を一度する」。それが、最強の対策だと思っています。

関連記事

✍️ この記事を書いた人

ゆるり|訪問リハビリ専門職

現場で1,000人以上のご家族と関わってきた訪問リハビリ職。27歳で母を亡くし、密葬60万円・相続登記45万円・兄弟3人で揉めた相続を経験。

𝕏 @y_simple_care

📌 この記事の”核心”は有料noteで全部書いています

📚 3本まとめてマガジン ¥1,000(¥100お得)

この記事が役に立ったら
Xでシェアしていただけると励みになります 🙏

𝕏 この記事をXで共有する

Xで最新記事・note新作情報を発信中 → @y_simple_care

ABOUT ME
アバター画像
ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。