私たち兄弟に許されたのは、わずか2ヶ月の闘病期間でした。
刻々と迫る別れと戦いながら、感情を押し殺して相続の事務的な話し合いを進める——その過酷さを、私は身をもって知っています。
「もっと元気なうちに、話せていれば」
この後悔が、今の私の原動力になっています。この記事では、親が元気なうちにしておくべき3つの対話をお伝えします。
対話① お金の話——家計を「見える化」する
結論:お金の話を避けることは、家族を守ることにはなりません。
私の母は「お金は最低限あればいい」という価値観を持ち、家計についての話を避け続けました。その結果、高額な保険料が家計を長年圧迫していたことが、相続後の家計整理で初めて判明しました。
「お金の話=汚い」という呪縛を手放してください。家計を透明にすることが、家族の安心に直結します。
今日からできること:
- 銀行口座・保険・固定費の一覧を親と一緒に作る
- 「終活ノート」や「エンディングノート」を一緒に買いに行く
- 「もし入院したら、どの口座から払う?」という軽い切り口から始める
対話② 健康の話——「頑張り」を美徳にしない
結論:親の頑張りを、健康の犠牲にしてはいけません。
夜勤もあり不摂生が続く生活。それを「家族のために働く美徳」として、周囲も本人も受け入れてしまっていました。リハビリ職として人一倍健康の大切さを知っている私でさえ、親の生活習慣に踏み込めませんでした。
もし私が「プレゼントだから」と強制的に人間ドックを受けさせていたら——その後悔は今も消えません。
今日からできること:
- 誕生日や年末年始に「人間ドックをプレゼント」する
- かかりつけ医を一緒に確認する(何科に通っているか把握する)
- 定期的に「最近体調どう?」と電話する習慣をつける
対話③ 相続の話——病室ではなく食卓で
結論:相続の話し合いは、病室ではなく食卓ですべきです。
「相続の話をすると、死を連想させて縁起が悪い」——そう思って先延ばしにした結果、私は病室での事務的な手続きを強いられました。
笑って話せるうちに出口戦略を共有しておくことが、残された家族への最大の優しさです。
今日からできること:
- 「実家、将来どうしたい?」と雑談のついでに聞いてみる
- FP(ファイナンシャルプランナー)に家族で相談する機会を作る
- 遺言書や公正証書について調べ、「こんな方法があるよ」と紹介する
まとめ
「あの時話しておけばよかった」——その後悔をしないために、今日、少しだけ勇気を出して家族に声をかけてみてください。
お金の話は汚くない。健康の話は縁起が悪くない。相続の話は不吉ではない。それは全部、家族を守るための「愛情表現」です。