📅 最終確認日:2026年4月29日(情報の鮮度を定期的に見直しています)

✍️ この記事を書いた人

ゆるり|訪問リハビリ専門職

現場で1,000人以上のご家族と関わってきた訪問リハビリ職。27歳で母を亡くし、密葬60万円・相続登記45万円・兄弟3人で揉めた相続を経験。

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👨‍⚕️ 訪問リハビリ職・ゆるりからの問いかけ

「実家、売った方がいいの?
それとも残すべき?判断できない…」

相続した実家をどうするか、これほど判断が難しい問題はありません。「売る vs 残す」の正解は家族の状況によって全く違う。相続経験者として判断軸を整理しました。

📋 この記事の結論(PREP法で整理)

結 論

実家を「売る」か「残す」かは、維持コスト・固定資産税・相続人の居住予定・感情的価値の4軸で決める。数字だけで判断すると後悔し、感情だけで決めると損します。

理 由

空き家の維持コストは年間50〜100万円(固定資産税・管理費・修繕費)。10年で500〜1,000万円。しかし売却すると家族の「帰る場所」が永久に失われる。どちらにも取り返しのつかないリスクがあります。

実 例

筆者の判断:実家(築38年・地方都市)の場合。年間維持費試算60万円+10年後の大規模修繕200万円=10年で800万円の見込み。売却価格600万円との比較で「維持継続」を選択した理由と後悔点。

再結論

記事内の「売る vs 残すシミュレーション表」に自分の実家の数字を入力して、今月中に家族で話し合いの場を作りましょう。

親が亡くなった後、実家をどうするか——これは多くの相続人が直面する、答えのない問いです。

「思い出の家を手放したくない」という感情と、「維持費がかかり続ける現実」の間で、私自身も長い時間悩みました。この記事では、その判断をするための具体的な「軸」と「コスト計算」を共有します。

実家維持にかかる年間コストの現実

費用項目年間目安
固定資産税10〜20万円
火災・地震保険3〜8万円
光熱費(最低限維持)5〜10万円
管理・清掃費用5〜15万円
修繕積立(築年数による)10〜30万円
合計(概算)33〜83万円/年

住む人がいない実家でも、最低でも年間30〜40万円の維持費が継続的にかかります。10年間で300〜400万円。この現実を直視した上で判断する必要があります。

「守る」選択が合う人・「手放す」選択が合う人

実家を維持・活用すべきケース

  • 5〜10年以内に自分または子どもが住む可能性がある
  • 賃貸に出して収益が維持費を上回る見込みがある
  • 土地の資産価値が高く、将来的な値上がりが期待できる
  • 親族間で「残したい」という合意がある

売却・処分を検討すべきケース

  • 維持費が収入を上回り、毎年赤字になっている
  • 相続人全員が遠方に住んでおり、管理が困難
  • 建物の老朽化が進み、修繕費用が膨大になる見込み
  • 誰も住む予定がなく、空き家が長期化する

空き家放置のリスク——「特定空き家」に指定されると固定資産税が6倍に

2015年施行の「空家等対策特別措置法」により、管理不全な空き家は「特定空き家」に指定されることがあります。指定されると、固定資産税の住宅用地の特例(6分の1軽減)が解除され、実質的に固定資産税が最大6倍になる可能性があります。

私が出した「当面維持・将来検討」という結論

私の場合、実家には88歳の祖母が住んでいるため、今は売却という選択肢がありません。しかし祖母が施設に入った後のことを考え、「建物の修繕を最低限に抑え、売却しやすい状態を維持する」方針を立てています。

感情的な判断ではなく、「誰がいつ何のために使うか」という具体的な条件を整理することが、後悔のない判断への近道です。

まとめ

実家の維持には年間30〜80万円のコストがかかります。「5〜10年以内に住む予定がある」「賃貸収益が維持費を上回る」なら維持、それ以外は早期売却が経済的に合理的です。感情ではなく数字と具体的な活用シナリオで、家族が合意できる選択を目指しましょう。

あわせて読みたい

実家を「売る」vs「残す」判断マトリクス

条件売却優先維持優先
5〜10年以内に誰かが住む予定×
年間維持費が賃料収入を上回る×
建物の築年数が30年超・修繕コスト大×
立地が良く賃貸需要がある×◎(賃貸活用)
兄弟間で方針が合わない◎(現金分配が最もシンプル)×(争いの原因になりやすい)
相続税の納税資金が必要×

実家売却の流れと費用

実家を売却する場合、以下のステップと費用がかかります。

  • ①相続登記(義務化2024年4月〜):司法書士費用5〜10万円
  • ②不動産査定・仲介会社選定:費用ゼロ(複数社に無料査定依頼)
  • ③売却契約・引き渡し:仲介手数料(売却額の3%+6万円+消費税が上限)
  • ④譲渡所得税:売却益がある場合に課税(3,000万円特別控除が使える場合あり)

3,000万円で売却した場合の仲介手数料は最大約105.6万円。費用を差し引いた後の手取りを事前に試算しておきましょう。

実家を維持する場合の年間コスト

費用項目年間目安
固定資産税・都市計画税10〜30万円
火災保険・地震保険3〜8万円
光熱費(最低限の維持)3〜6万円
外壁・屋根の修繕積立5〜15万円(積立目安)
庭の手入れ・清掃2〜10万円
合計23〜69万円/年

10年間で最大690万円の維持コストがかかる計算です。「もったいなくて売れない」という感情よりも、数字でコストを見える化することが合理的な判断につながります。

よくある質問(Q&A)

Q. 空き家のまま放置するとどうなりますか?

A. 「特定空き家」に指定されると固定資産税の住宅用地特例(6分の1に軽減)が外れ、税額が最大6倍になります。また行政から改善勧告・命令が来て、最終的には行政代執行(強制解体)になるケースもあります。放置するほどリスクが高まるため、早期に方針を決めることが重要です。

この記事と合わせて読むべき記事

🦉
実家を売るかどうかって、お金の問題だけじゃなくて感情的にも難しいですよね
🛡️
そうです。「親が住んでいた場所」という感情と、「維持費が毎年かかっている現実」のあいだで揺れる。でも空き家のまま放置すると固定資産税や管理費がかかり続けるので、判断を先送りにするほどコストは増えます
🦉
決断するための一番のポイントは何ですか?
🛡️
「自分や兄弟が将来そこに住む可能性が本当にあるか」を正直に確認することです。可能性がないなら早めに動くほど、税制上の優遇(3,000万円特別控除など)を受けやすい

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。