「NISAとiDeCo、どっちから始めるべき?」——これは本当によく聞かれる質問です。

結論から言えば、まずNISA、次にiDeCoが基本。でも所得税率や会社の退職金制度によっては、iDeCoが先になる場合もあります。

訪問リハビリ職として働きながら両方を活用している私が、「どちらから始めるべきか」を条件別に整理してお伝えします。

💡 この記事の結論(先に読みたい人へ)
✅ 収入・年齢・働き方でベストな選択が変わる
✅ iDeCoの最大の武器は「税金の節約」
✅ NISAの最大の武器は「いつでも引き出せる柔軟性」
✅ 正社員・手取り30万円台なら「NISA優先→余力でiDeCo」が多数派の正解

NISAとiDeCo、何が違うの?

📘 NISA

いつでも引き出せる
年360万円まで
非課税期間 無期限

投資した利益が非課税になる口座。老後以外の目的(住宅・教育など)にも使える柔軟さが強み。

🟠 iDeCo

掛け金が所得控除
60歳まで引き出せない
節税効果が大きい

掛け金が全額所得控除になり、現役時代の税金が減る。老後のためだけのお金と割り切れる人向け。

徹底比較表

比較項目 NISA iDeCo
投資上限 年360万円(生涯1,800万) 会社員:月2.3万円(年27.6万)
引き出し いつでもOK 60歳まで不可
非課税メリット 運用益・配当が非課税 掛け金が所得控除+運用益非課税
節税効果 運用益に対してのみ 現役時代から節税できる
手数料 証券会社で無料 月105円〜(国民年金基金連合会)
受取時の税金 非課税 退職所得控除・公的年金控除あり(要注意)
向いている人 全員・特に若い人 所得税率が高い人・節税したい人

iDeCoの「税金節約」は本当にお得?

iDeCoの最大の強みは「掛け金が所得控除になる」こと。年収・所得税率によって節税額は変わります。

年収目安 所得税率 月2.3万円拠出の年間節税額
〜330万円 5% 約13,800円
330〜695万円 10% 約27,600円
695〜900万円 20% 約55,200円
900〜1,800万円 33% 約91,080円

※住民税(10%)を含む実効税率で計算。実際の節税額は個人の状況により異なります。

年収500万円台の私が月1.2万円拠出すると、年間約17,000円の節税になりました。10年続けると約17万円——これはiDeCoの手数料を差し引いても十分なメリットです。

条件別「どちらを優先するべきか」

✅ あなたはどのタイプ?

  1. 20〜30代・会社員・収入普通
    NISA優先。住宅購入・結婚・教育費など、60歳前に使う可能性があるお金はNISAで。iDeCoはNISAを満額使えるようになってから検討。
  2. 40代以降・ある程度収入がある・老後一本狙い
    iDeCo+NISAの両立。所得税率が上がっている人ほどiDeCoの節税効果が大きい。
  3. 自営業・フリーランス
    iDeCo最優先。月6.8万円まで拠出できる上、退職金がないので自分で作る必要がある。
  4. 扶養内パート・専業主婦(夫)
    NISA一択。所得税がほぼかからないのでiDeCoの節税効果が薄い。
⚠️ iDeCoの注意点:iDeCoは60歳まで引き出せません。生活防衛費(6ヶ月分の生活費)を確保した上で、「老後専用」と割り切れる金額だけ拠出しましょう。無理な拠出は家計を圧迫します。

両方やる場合のおすすめ配分

  • 手取り25〜30万円:NISA月3万円 → 余力があればiDeCo月5,000〜1万円
  • 手取り30〜40万円:NISA月5万円 + iDeCo月1〜2万円の両立が現実的
  • 手取り40万円以上:NISA月10万円 + iDeCo月2.3万円(上限)をフル活用

生活防衛費(月収×6ヶ月分)を先に確保してから投資に回すのが大原則です。

よくある質問

Q. NISAとiDeCoは同時にできますか?
A. できます。別々の口座なので併用可能です。両方活用するのが最もお得です。

Q. iDeCoはどの証券会社で始めるのがいい?
A. 手数料最安水準のSBI証券・楽天証券がおすすめです。信託報酬の低いインデックスファンドを選べます。

Q. iDeCoを始めると転職・退職時に面倒では?
A. 転職時は「移換手続き」が必要ですが、それほど複雑ではありません。会社員→自営業でも引き続き利用できます。

📌 まず動くこと

「どちらが正解か」を考え続けるより、まずNISAを始めることが一番大切です。
iDeCoは後から追加できます。

今すぐNISAを始める
余力ができたらiDeCo追加

どちらもSBI証券か楽天証券で始めると口座管理が楽です。

【職業別・年収別】iDeCoとNISAの最適な優先順位

職業・状況優先順位理由
会社員(年収400万以上)iDeCo→NISA所得控除で節税効果が大きい
会社員(年収300万以下)NISA→iDeCo所得税が低く節税メリットが少ない
専業主婦・主夫NISA優先所得なし→iDeCoの節税メリットなし
自営業・フリーランスiDeCo最優先掛金全額控除+退職金代わりになる
訪問リハビリ職(私の場合)iDeCo2.3万+NISA10万節税しながら積立最大化
30代・住宅購入予定ありNISA優先iDeCoは60歳まで引き出せない

iDeCoの節税シミュレーション——年収・掛金別の節税額

iDeCoの最大のメリットは掛金が全額所得控除になること。年収が高いほど節税効果が大きくなります。

年収月2.3万円(年27.6万円)の節税額月1.2万円(年14.4万円)の節税額
300万円約27,600円/年約14,400円/年
400万円約55,200円/年約28,800円/年
500万円約69,000円/年約36,000円/年
600万円約82,800円/年約43,200円/年
700万円以上約96,600円/年〜約50,400円/年〜

年収500万円で月2.3万円積立てると、毎年約6.9万円の節税になります。30年続ければ節税総額207万円。この節税分をNISAに回すことができます。

iDeCoの最大のデメリット——「60歳まで引き出せない」の本当の意味

iDeCoは原則60歳まで引き出し不可です。これを「デメリット」と言う人もいますが、逆に言えば「絶対に使えない老後資金を強制的に積立てられる」というメリットでもあります。

ただし、以下の場合は注意が必要です:
・30代で住宅購入を検討している(頭金に使えない)
・病気や急な出費で困るかもしれない(生活防衛資金が少ない)
・転職が多い(転職先企業の企業型DCとの調整が必要)

生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)を確保した上でiDeCoを始めるのが鉄則です。

iDeCo×NISA「両方フル活用」した場合の20年後シミュレーション

積立設定月額20年後(年利5%)節税総額(20年)
iDeCoのみ(月2.3万)2.3万円約940万円約138万円(年収500万の場合)
NISAのみ(月10万)10万円約4,110万円非課税(利益分)
iDeCo+NISA両方12.3万円約5,050万円節税+非課税の二重取り

両方フル活用できれば20年後に5,000万円超の資産と、合計200万円超の節税が実現できます。「どちらか一方」ではなく「両方やる」が最強解です。

iDeCo よくある質問8選

Q1. iDeCoはいつから始められますか?

20歳以上64歳以下(2022年の改正で65歳未満に引き上げ)であれば加入できます。早く始めるほど複利の効果が大きくなります。

Q2. iDeCoの口座はどこで開設できますか?

証券会社や銀行で開設できます。SBI証券・楽天証券・松井証券が手数料が安く品揃えも豊富でおすすめです。NISAと同じ証券会社でまとめると管理が楽です。

Q3. iDeCoの掛金はいつでも変更できますか?

年1回変更できます。生活状況に合わせて金額を調整可能です。一時停止(掛金ゼロ)にすることもできますが、その間も口座管理手数料が引き続きかかります。

Q4. 転職・退職した場合はどうなりますか?

転職先の企業型DCへの移換、または継続してiDeCoで積立てる(移換手続きが必要)かを選べます。退職した場合は自営業・フリーランス向けのiDeCo(月6.8万円上限)に移れます。

Q5. iDeCoで受け取るとき、税金はかかりますか?

かかります。受け取り方が「一時金」か「年金」かによって税制が異なります。一時金なら退職所得控除が使え、税負担を大きく軽減できます。受け取り方の選択は60歳に近づいたタイミングでFPや税理士に相談することをおすすめします。

Q6. NISAとiDeCoの違いを一言で言うと?

NISA=いつでも使えるお金を非課税で増やす仕組み。iDeCo=60歳以降に使うお金を節税しながら積立てる仕組み。目的が違うため、どちらか一方ではなく両方活用するのが正解です。

Q7. 会社員でもiDeCoに加入できますか?

できますが、勤務先が企業型DC(確定拠出年金)を導入しているかどうかで掛金の上限が変わります。企業型DCあり→月2万円上限、企業型DCなし→月2.3万円上限が目安です(会社によって異なります)。

Q8. iDeCoで積立てるおすすめのファンドは?

NISAと同様にeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)かeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が定番です。iDeCoでも同じ考え方で問題ありません。証券会社によっては同等の商品名で提供されています。

まとめ——私の選択(訪問リハビリ職・年収約350万円の場合)

私の場合の設定:
・iDeCo:月1.2万円(医療機関勤務のため上限あり)→年約1.7万円節税
・NISA積立:月10万円(楽天証券+SBI証券)
・合計:月11.2万円を老後に向けて積立

訪問リハビリ職は給与上限があるからこそ、制度をフル活用して資産格差を縮めていくことが重要です。iDeCoとNISAはその最良の武器です。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。