📅 最終確認日:2026年4月29日(情報の鮮度を定期的に見直しています)

2026年6月と8月、介護保険が変わる。「改正」と言うと事業者側の話に聞こえるが、今回は利用者の負担額にも直接影響する変更が含まれている。訪問リハビリの現場で「来月から負担が変わります」と伝えるとき、いつも思う——もっと早く知っていれば、準備できたのにと。

2026年の介護保険、何が変わるか

今回の改定は「臨時改定」と呼ばれ、通常の3年に1度の改定とは別に行われる。主な変更は2段階ある。

施行時期 内容
2026年6月 介護職員の処遇改善(賃上げ)関連の加算見直し
2026年8月 食費の基準費用額の引き上げ(施設利用者に影響大)

在宅介護を利用している場合

訪問介護・訪問リハビリ・デイサービスなどの在宅サービスを使っている場合、6月改定での直接的な利用者負担の増加はほぼない。賃上げ分の原資は主に公費と保険料で賄われる設計になっているためだ。

ただし「加算の見直し」により、事業所が設定する加算の種類や金額が変わる可能性がある。自分が使っているサービスの事業所から説明を受けていない場合は、6月前に確認しておくと安心だ。

施設入所している場合(8月改定が直撃)

より大きな影響を受けるのは、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設などに入所している場合だ。

2026年8月から、施設での「食費の基準費用額」が引き上げられる。具体的な金額は本稿執筆時点(2026年4月)で最終決定待ちだが、過去の改定では1日あたり数十円〜200円程度の引き上げが行われてきた。月換算では数千円の負担増になる可能性がある。

「補足給付」(低所得者向けの食費・居住費の負担軽減制度)を受けている場合は、その対象要件や金額も合わせて確認しておきたい。

自分の負担割合、確認できていますか

介護保険の自己負担は所得に応じて1〜3割。毎年8月に更新され、前年の収入に基づいて決定される。

訪問先で何人もの方から「急に3割になった」と驚かれてきた。収入に変動がなくても、年金の受給額が変わったり、扶養家族の状況が変わったりすると、区分が変わることがある。

今確認すべきこと:

  • 介護保険負担割合証(水色の証明書)の割合を確認する
  • 8月に届く新しい証明書と見比べる
  • 施設入所中なら、食費・居住費の「負担限度額認定証」があるか確認する
  • ケアマネジャーに「今回の改定で何か変わりますか?」と聞く

現場から見えること

訪問リハビリの仕事をしていると、介護保険の改定は「抽象的なニュース」ではない。利用者さんが次の訪問で「先生、また値段が変わるって聞いたんだけど」と不安そうに聞いてくる。

この記事を書いているのも、そういう会話を少しでも「わかった、知ってた」という安心に変えてほしいからだ。制度は変わる。でも変わるタイミングを知っていれば、準備できる。

6月と8月——この2つの時期をカレンダーに入れておいてほしい。

「補足給付(特定入所者介護サービス費)」はどう変わる?

施設入所者が食費・居住費を軽減してもらえる「補足給付(負担限度額認定)」制度は、今回の改定でも対象要件が継続される。ただし、食費の基準費用額が上がることで、「補足給付を受けていない人」の実負担が増える構造になっている。

補足給付を受けられるのは、預貯金・資産が一定額以下の方に限られる。「うちの親は施設に入っているが、補足給付を申請していない」という場合は、ケアマネジャーまたは施設のソーシャルワーカーに確認してみてほしい。申請漏れが多い制度の一つだ。

状況 今回の改定の影響
在宅介護(訪問・デイ) ほぼ影響なし(6月)
施設入所・補足給付あり 影響は限定的
施設入所・補足給付なし 8月から食費が増加する可能性あり

高額介護サービス費との組み合わせを把握する

利用者負担が月の上限額を超えた場合に払い戻される「高額介護サービス費」も、所得段階によって上限額が異なる。今回の改定で負担が増えた場合でも、高額介護サービス費によって実質的な上限が変わるわけではない点は理解しておきたい。

つまり「1割負担で在宅サービスを使っている」かつ「月の上限額を超えていない」という大多数の在宅利用者には、今回の6月改定の直接的な影響はほぼない。一方、施設入所者の食費負担は実費が上がるため、高額介護サービス費の対象外となる食費部分での負担増が生じやすい。

今すぐやること——3つだけ

  1. 介護保険負担割合証を確認する(毎年8月に更新される水色の証明書)。1割か2割か3割か確認し、8月に届く新しい証明書と比較する。
  2. 施設入所中なら「負担限度額認定証」があるか確認する。なければケアマネジャーか施設に相談して申請漏れがないかチェック。
  3. 2026年6月と8月をカレンダーに記録する。利用明細書が来たとき、前月と金額が変わっていないか確認する習慣をつける。

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✍️ この記事を書いた人

ゆるり|訪問リハビリ専門職

現場で1,000人以上のご家族と関わってきた訪問リハビリ職。27歳で母を亡くし、密葬60万円・相続登記45万円・兄弟3人で揉めた相続を経験。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。