📌 介護離職を防ぐ国の制度を、現場目線で解説

本記事は2026年4月時点の制度概要を一般情報として整理したものです。実際の申請は会社の人事部・ハローワーク・社労士に確認してください。

「親の介護が始まったけれど、仕事を休みすぎると会社に迷惑をかける」

「介護休業ってどうやって取るの?お給料はどうなるの?」

訪問リハビリの現場で、ご家族からよく聞かれる質問です。実際に介護離職してしまうと、生涯所得で1,300万円以上消えるとも言われます。

本記事では、「辞めずに乗り切る」ための介護休業制度の使い方を、現場で見てきた実例とともに整理します。

介護休業制度の基本——93日・3分割可

  • 対象家族1人につき通算93日まで取得可能
  • 3回に分割して取得できる(たとえば30日+30日+33日)
  • 対象家族:配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫
  • 「要介護状態」が条件(要介護2以上、または自治体の認定基準)
  • 事業主への申請は休業開始2週間前までが原則

介護休業給付金——賃金の67%が支給

介護休業中は会社からの給料は基本的にゼロですが、雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。

  • 支給額:休業前の賃金の67%(上限あり)
  • 申請先:会社経由でハローワーク
  • 対象:雇用保険被保険者で、休業開始前2年間に12か月以上の被保険者期間がある人

例:月給30万円の人なら、月20.1万円(上限内)が給付されます。生活が完全に止まらない設計です。

介護休暇との違い

「介護休業」と「介護休暇」は別物です。

制度 期間 給与 使い方
介護休業 通算93日(3分割可) 給付金67% 体制づくりや手続きの集中期間
介護休暇 年5日(家族2人以上は10日) 無給(会社により有給) 通院付き添い・ケア会議など短時間用

取得の3つの戦略

① 「介護が始まる初動」に集中投下

親が倒れた直後、ケアマネ選定・施設見学・退院後の体制づくりに最も時間がかかります。最初の30〜60日を介護休業で集中対応し、その後は時短勤務やフレックスに切り替えるのが現実的。

② 状況の変化点で「分割」して取る

たとえば「初回30日」→「容態悪化時に30日」→「看取り直前に33日」のように分けて使うと、長期戦に備えられます。

③ 介護休暇との併用で、フルタイム勤務を維持

通院付き添いやケア会議は介護休暇(年5〜10日)でカバー。介護休業の93日を温存しつつ、日常の通院対応は休暇で対応する設計が、ベテランの介護家族で増えています。

申請の3ステップ

  1. 会社の人事部に相談:就業規則を確認し、社内の手続きフローを把握
  2. 「介護休業申出書」を提出:休業開始2週間前まで。要介護状態の証明(介護保険証のコピー等)が必要な場合あり
  3. 休業中:会社経由でハローワークに介護休業給付金を申請:申請は休業終了後2か月以内

「言いにくい」を超える3つのコツ

  1. 制度として権利:介護休業は法律で定められた労働者の権利。負い目を感じる必要はない
  2. 復帰計画を一緒に持っていく:「いつまで」「どう戻るか」を提示すると上司が安心する
  3. 同僚への引き継ぎ書を準備:仕事のブラックボックスを残さないことが、戻りやすさにつながる

現場で見た「取らないで後悔した家族」

訪問リハビリの現場で、こんな話を何度も聞きました。

「介護休業のことを知らなくて、フルタイムで働きながら親の介護を1人で抱えて、結局3年で離職した」

「給付金が67%出ると知っていれば、最初に1か月休んで体制を作れたのに」

制度を知っているかどうかで、家族の人生設計が大きく変わります。使えるものは使う。それが介護を持続可能にする現実的な答えです。

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✍️ この記事を書いた人

ゆるり|訪問リハビリ専門職

現場で1,000人以上のご家族と関わってきた訪問リハビリ職。27歳で母を亡くし、密葬60万円・相続登記45万円・兄弟3人で揉めた相続を経験。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。