NISA口座を開いたあと、多くの人が次に悩むのが「オルカンとS&P500、どっちを買えばいい?」という問いです。

私も2年前に同じ悩みを持ちました。結論から言えば、どちらを選んでも長期投資で大きく間違いはありません。ただし「どちらが自分に合っているか」は明確に違います。

2年間オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)を積み立て続けた経験をもとに、徹底比較します。

まず、2つの違いを一言で言うと

🌍 オルカン(全世界株式)

世界50ヵ国以上
約3,000銘柄
米国比率60%

「世界経済全体に投資する」商品。米国が一人勝ちしなくても、世界のどこかが成長すれば恩恵を受けられる。

🇺🇸 S&P500(米国株式)

米国トップ500社
Apple・Microsoft等
過去リターン最強

「米国経済に集中投資する」商品。過去の実績は圧倒的。ただし米国一極集中のリスクがある。

徹底比較表

比較項目 オルカン(全世界) S&P500(米国)
投資範囲 世界50ヵ国・約3,000銘柄 米国500社
米国比率 約60% 100%
過去10年リターン 約10〜11%/年(参考値) 約13〜15%/年(参考値)
信託報酬(最安) 年0.05775% 年0.09372%
リスク分散 高い(全世界分散) 中(米国集中)
「ほったらかし」適性 ◎ 最高 ○ 高い
米国衰退シナリオ 他地域でカバー可能 △ 直撃する
初心者への推奨度 ◎ 最適 ○ 良い

過去リターンの差は「米国の一人勝ち時代」の話

📊 過去10年の年率リターン比較(参考値・税引前)

S&P500
約13〜15%
13〜15%
オルカン
約10〜11%
10〜11%

※インデックスの過去実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。円換算・為替込みの参考値です。

重要な視点:この差は「2010年代〜2020年代前半、米国テック企業が世界を席巻した特殊な時代」の結果です。今後も同じ状況が続くとは限りません。1990年代には日本株が世界トップでしたが、その後30年停滞しました。「米国が一番強い」という保証はどこにもありません。

私がオルカンを選んだ3つの理由

①「何も考えなくていい」から続けられる
オルカンは世界市場の動きに連動するため、「米国が落ちたらどうしよう」と悩む必要がありません。ただ積み立てるだけで、自動的に世界経済に分散投資されます。

②「稲妻の法則」はどこで起きるかわからない
市場の大幅上昇(稲妻)がいつ・どの国で起きるか予測できません。全世界に投資することで、どこで起きても恩恵を受けられます。

③心理的な安心感がある
「米国一択」より「世界丸ごと」の方が、暴落時に精神的に落ち着けます。2年間続けられた理由の一つです。

こんな人にはS&P500が向いている

🇺🇸 S&P500を選ぶべき人

  • 「米国の強さを信じていて、集中投資したい」
  • 過去実績を重視し、少しでも高いリターンを目指したい
  • 暴落時も「米国は必ず復活する」と信じて持ち続けられる
  • 既にオルカンを持っていて、サテライトとして追加したい

「両方買う」は正解?

よく「オルカンとS&P500を両方買いたい」という質問を受けますが、オルカンには既にS&P500の約60%が含まれています。両方買うとS&P500への配分が重複し、結果的に「S&P500寄りのオルカン」になります。

1本で完結させるならオルカン一択が最もシンプルで効率的です。

よくある質問

Q. 途中でオルカンからS&P500に乗り換えられますか?
A. NISA口座内では売却→購入の形で変更可能ですが、売却分の非課税枠が消費される点に注意。長期で保有し続けることが基本戦略なので、迷ったら変えないことも一つの正解です。

Q. オルカンの「全世界」には中国・新興国も含まれますか?
A. はい。時価総額比率で配分されるため、中国・インドなどの新興国も含まれます。ただし比率は小さく、主要先進国が大半を占めます。

Q. どの証券会社でも買えますか?
A. SBI証券・楽天証券どちらでも購入可能です。信託報酬は同じなので、どちらで買っても商品のコストは変わりません。

📌 結論:迷ったらオルカン

「どちらが正解か」を悩んで行動が止まることが一番の損失です。
迷ったらオルカンを選んで、あとは積み立て続けることに集中しましょう。

SBI証券で買うならゴールドNLで1%還元
楽天証券なら楽天カードで0.5〜1%還元

【10年・20年・30年】過去データで見るオルカン vs S&P500の実績比較

期間オルカン(全世界株式)年平均リターンS&P500(米国株式)年平均リターン
過去10年(2014〜2024)約10.5%約13.2%
過去20年(2004〜2024)約8.3%約10.6%
過去30年(1994〜2024)約8.1%約10.3%

過去のデータではS&P500が優位です。ただし「過去の実績は将来を保証しない」というのが投資の大原則。「米国一強がこれからも続くかどうか」は誰にもわかりません。

「米国集中リスク」とは何か——オルカンが分散できている理由

S&P500は米国500社のみへの投資です。米国経済が好調な間は強いですが、米国が長期的な停滞に入った場合(日本のバブル崩壊のような事態)には回復に数十年かかる可能性があります。

オルカンは全世界約3,000銘柄に投資しており、米国が約60%・その他先進国・新興国が残りを占めます。米国が弱くなれば他の国の比率が自動的に上がる仕組みです。

国・地域オルカン内の比率(概算)
米国約62%
日本約5%
英国約4%
フランス約3%
その他(新興国含む)約26%

月5万円・20年で積立てた場合の差額シミュレーション

運用想定10年後20年後30年後
オルカン(年利8%想定)912万円2,981万円7,454万円
S&P500(年利10%想定)1,027万円3,830万円11,321万円
銀行預金(年利0.001%)600万円1,200万円1,800万円

銀行と比べれば、どちらを選んでも20年後には圧倒的な差があります。「オルカンかS&P500か」より「始めるか始めないか」の方がはるかに重要です。

私の結論——なぜ「両方持つ」を選んだか

「どちらが正解か一生議論が続く問題なら、両方持てばいい」——これが私の答えです。

・楽天証券:eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)月5万円
・SBI証券:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)月5万円

どちらかが正解だったとしても、もう一方は「そこそこ良い」はずです。迷ったら分散。それが投資の基本です。

よくある質問7選

Q1. オルカンにS&P500は含まれていますか?

含まれています。オルカンの約62%は米国株式であり、その多くはS&P500の銘柄です。つまりオルカンを買えばS&P500の約62%は自動的に保有することになります。

Q2. 「オルカン一択でいい」という意見はなぜですか?

「世界全体に投資するオルカンが最もシンプルに分散できる」という考え方です。S&P500は過去リターンは高いが米国集中リスクがある。迷いたくない人・シンプルにしたい人はオルカン一択で問題ありません。

Q3. 途中でオルカンからS&P500に乗り換えることはできますか?

NISA口座内での売却は非課税ですが、売却した非課税枠は翌年に復活するまで使えません。乗り換えは可能ですが、頻繁に変えるのは避け、長期目線で一度決めたら継続することをおすすめします。

Q4. 楽天版オルカン(楽天・オールカントリー)とeMAXIS Slimオルカンの違いは?

投資対象はほぼ同じです。コストは楽天版の方がわずかに低い場合があります。楽天証券で積立てるなら楽天版でも問題ありません。SBI証券ならeMAXIS Slim全世界株式が定番です。

Q5. 暴落したときオルカンとS&P500はどちらが下がりにくいですか?

暴落の種類によります。リーマンショックやコロナショックは世界同時株安だったため、オルカンもS&P500も大きく下落しました。米国固有の問題(政治リスク等)であればオルカンの方が下落幅が小さい可能性があります。

Q6. 新興国株式ファンドも追加した方がいいですか?

オルカンに既に新興国が含まれているため、初心者は追加しなくてOKです。新興国は高リターン期待の反面、ボラティリティ(変動幅)が大きくなります。まずはオルカンかS&P500を安定して積立てることを優先してください。

Q7. 子供の教育資金もオルカンで積立てていいですか?

使う時期が決まっている教育資金は注意が必要です。子供が18歳のときに暴落が来ていた場合、解約するタイミングで損が出る可能性があります。使い時が決まっているお金は、債券や定期預金との組み合わせを検討してください。

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ゆるり
リハビリ職の長男。片道2.5時間の距離にある実家で、88歳の祖母の介護と母の相続に向き合っています。看護師だった母が一人で守り続けた家と家族を、今度は自分が守る番だと思っています。母の遺産を新NISAや高配当株で運用しながら、介護・仕事・家族の思い出を両立させるための試行錯誤を、同じ悩みを持つ方へ届けます。